2023年4月17日に、何らかのウイルスによる気管支炎になりました。
新型コロナを心配して PCR 検査しましたが陰性でした。
インフルエンザも陰性。
なんだか不明のウイルスです。
しかし、若い時と違って、今ではちょっとしたウイルスによる気管支炎でも咳や痰で少し息苦しくなります。ひどい時には、仰向けになって眠ることができなくなります。
そこでネブライザーです。
気管・気管支の中にある痰に水分を与えて柔らかくして出してやればとても楽になります。
panasonic の EW-KA30-P
7 年前にも同じような気管支炎になり同じように苦しんだので、その時に panasonic の EW-KA30-P というネブライザーを購入しました。携帯用でとても小さく、水道水を使って気管支を加湿して随分助かったと思っています。

しかし、いろいろと調べてみると水粒子の大きさが大きすぎるとか、水道水を使ってもいいのかという疑問を持つようになり、ちょっとだけ調べてみました。
ちなみに、このネブライザーが作る水の粒子の大きさは 40 μm です。
粒子の大きさと気管支への到達
ネットで検索すると、粒子の大きさと気管支への到達レベルに関しては一般的に次のように考えられているようです。細かな数値に関してはもう少し違うものもありますが、ほぼこんな感じです。
つまり、40 μm の大きさの粒子は気管まで届かないことになります。

しかし、私はこの図を見て猛烈な違和感を覚えました。
私は、panasonic のネブライザーを咽頭壁に向けて、息を吐ききった状態から一気に吸い込むようにしているのですが、そうするとある程度奥まで水粒子が吸入されると思います。
つまりは、吸い込む空気の流速によって全く異なる結果になるはずです。
気道における粒子沈着様式
ネットで色々検索すると、環境省の微小粒子状物質健康影響評価検討会が猛烈に詳細で難解な報告書を提示しています。この報告書はおそらく主に PM 2.5 などの有害物質を対象にしているものかと思います。
これは「未定稿」と書かれており、2007年のデータが現在アップデートされていませんが、とても参考になることが書いてあります。
それが、気道における粒子沈着様式です。
報告書によると、気管の中で粒子は以下のパターンで沈着します。

(b) 重力による沈降
(c) 遮断
(d) 拡散(ブラウン運動)
(b) の重力による沈降が図のようになるということは、ここでは寝ている状態を想定していると思います。
(c) の遮断とは、粒子の形状が線状のものの挙動のようで、水粒子に関しては考えなくてもいいと思います。
(d) のブラウン運動は、小さな粒子であれば影響を受けるかもしれませんが、40 μm の大きな粒子ではあまり影響を受けないと思われます。
水粒子の落下速度:ストークスの法則
水の粒子が落下する際に、空気の抵抗を受けてある一定速度に達するのですが、その速度を終端速度と呼び以下のような式で表せるようです。
$$
v =\frac{ {D^2}\ (ρ_p-ρ_f)\ g}{18\ 𝜂}
$$
水粒子の大きさを 40 μm として、他のパラメータを以下のように設定します。
D | 粒子径(m) | 0.00004 |
ρp | 粒子密度(Kg/m3) | 998.22 |
ρf | 流体密度(Kg/m3) | 1.205 |
g | 重力加速度(m/s2) | 9.8 |
η | 流体粘度(Pa・s) | 0.000018 |
この条件で計算すると、
終端速度(m/sec) | 0.0482506024691358 |
レイノルズ数 | 0.129204391056241 |
結果は、4.8cm/sec で落下することになります。
粒子が小さいのでかなりゆっくりと落ちます。
レイノルズ数が2以下でないと、このストークスの法則が成立しないようです。
私は、息を吐ききった状態でネブライザーから噴出される微小水滴を一気に吸い込みます。おそらく、空気量は全部で 3 L ぐらいで、時間は 3 秒程度。
このような条件であれば、かなり細いレベルの気管支まで微小水滴が広がるのではないかと考えています。おそらく、左右の気管支にぶつかるものもあるとは思いますが、落下速度が遅いので高速で移動する空気と一緒に奥まで行くはずです。
私の目的は、粘稠になってしまった痰を加湿により粘度を下げて出しやすくすることです。このネブライザーは私の目的には合っていると思っています。
確かに、粒子が 40 μm とやや大きい感じはしますが、もちろん溺れることはありません。
しかし、使ったことはありませんが、もっと小さな粒子(例えば 20 μm 程度)の方が使いやすいかもしれません。
水道水が使えるのか?
ネブライザーに水道水が使えないというサイトもあるようですが、おそらく使っても大丈夫でしょう。
本当は生理食塩水が浸透圧的にも衛生的にも一番いいのですが、家庭で使用する際にそのようなものはないので、水道水を使うしかないと思っています。
ちなみに、chat-GPT の答えは、
ネブライザーに水道水を使用することはできますが、水道水には微小な微生物や化学物質が含まれている可能性があります。これらの微生物や化学物質は、ネブライザーの部品に蓄積され、潜在的に健康上のリスクを引き起こすことがあります。
ネブライザーに使用する水は、蒸留水、浄水器で浄化された水、あるいは薬局で販売されている特別なネブライザー用の水など、純粋で清潔な水が望ましいです。これらの種類の水を使用することで、ネブライザーの部品の寿命を延ばし、健康上のリスクを最小限に抑えることができます。