フロイドを読む:岸田秀

この本は約 30 年前に買ったものですが、読むには読んだものの内容が難しすぎて、ほとんど記憶していません。

大学に入学したころにフロイドの「精神分析入門」を買いましたが、1ページで挫折しました。

この手の本をきちんと読むにはそれなりの基本的な素養が必要なのではないかと思います。

強迫神経症だった岸田秀とその原因

岸田秀はかなり強烈な強迫神経症に苦しんでいたようですが、その原因は母親にあったようです。

母親とは血のつながりはなく、それが根本原因ではないと思いますが、母親は岸田秀を完全に支配しようとしたようで、その母親の行為を愛情と捉えたところに強迫神経症の原因があったようです。

自己分析はできない

このような本を読めば、自分の心の中を覗くことができてきちんと分析して対処すれば、もう少しましな人間になるような気がしたのですが、どうもそれは無理のようです。

理論的に言って、意識すれば不快なもの、不安なもの、不都合なものを自分は無意識へと抑圧しているはずである。したがって、この抑圧されたものは自分の心のどこかに潜んでいるはずである。潜んでいるのだから、どこかにいくらかは痕跡を残しているはずである、と考えてどれほど真剣に誠実に自分の心の中を探っても何も出てこない。まだ何も出てこないのは努力が足りないのだと考えてさらに努力してもやはり何も出てこない。

抑圧した自分のこころの一部は、自分なりのちゃんとした理由があって意識下に抑圧しているわけなので、それは意識が認識できるはずはありません。

じゃあどうするかというと、

自分の無意識は自分では発見できない。フロイドが言うように、他者が必要なのである。自分の無意識は自分の心の中にあるのではなく、むしろ、自分の行動に対する他者の反応の中にある、と考えたほうがよい。

しかし、他者の反応を見て、自分自身の抑圧された部分を知るというのはとても難しいはずです。