潰瘍性大腸炎で 5-ASA の効果がない場合はサラゾピリンの使用を検討します。
免疫抑制作用
サラゾピリンは免疫抑制作用を持っています。
その詳細な機序に関しては不明なようですが、少し前の内科学会のネット記事には以下のような記載がありました。

この論文は膠原病・リウマチ性疾患に関するものなので骨破壊が記述されていますが、潰瘍性大腸炎ではT細胞やマクロファージからの炎症性サイトカインの産生を抑制することによって効果を発揮するようです。
構造
サラゾピリンは 5-ASA とスルファピリジンがアゾ結合したもので、体内でそれぞれに分解されます。

5-ASA はほとんど副作用はありませんが、スルファピリジンにはいろいろと副作用があります。
免疫抑制作用は2つに分解される前の状態で発揮されるようです。
副作用
サラゾピリンは 23 % に副作用が出現します。

この他にも、精子の数と運動性が減少することによる男性不妊の原因となることもありますが、これは投薬中止と共に速やかに回復します。
導入方法
最終的な投与量は、2.0 – 4.0 g( 4 T – 8 T )です。
- 副作用が多いので、最初は 500mg (1 錠)から開始します。おそらく 5-ASA も投与されているので 5-ASA を減量します。
- 2 週間後にフォローします。採血して異常がないか確認します。
- 少しずつ増量し、症状を見ながら投与量を決定します。