同志少女よ、敵を撃て:逢坂 冬馬

2022年本屋大賞を受賞した作品。
とても面白いと思います。

ソ連に侵攻してきたドイツ軍に対する女性だけの狙撃隊の物語。

発売日が2021年11月なので、この本が制作されたのはロシアのウクライナ侵攻の前ですが、ドイツ軍のソ連侵攻は現代におけるロシアのウクライナ侵攻とかぶってしまいます。

スターリングラード攻防戦

スターリングラードの場所はどこかというと、

こんなに南だったんですね。(ヴォルゴグラード=スターリングラードです)
私は、もっと北にあるのかと思っていました。
たぶんレニングラードと思い違いをしてました。

スターリングラード攻防戦で亡くなった人は200万人とも言われ、第2次世界大戦の中でも有数の激戦地だったようです。

狙撃兵

戦争映画には狙撃兵がよく出てきますが、500mも離れているところからピンポイントで敵を撃ち抜くことができるので、安全な場所から一方的に撃っているようにも思いますが、もちろんそんなことはありません。

狙撃兵の天敵は迫撃砲で、狙撃の後でモタモタしていると迫撃砲が飛んでくるので命はありません。

また、当然ながら敵方にも狙撃兵はいるわけで、敵方の狙撃兵が優秀であればやはり命はありません。

戦争の悲惨さ

戦争が悲惨なことは当然な話ですが、ドイツとソ連の戦いは特に悲惨だったのではないかと思われます。

国際法なんか無視する場合も多かったようで、捕虜を残酷な方法で殺したり、女性を強姦したり、とんでもない悲惨な行為がそこらじゅうでおこなわれたのではないかと思います。

ちなみに第二次大戦で犠牲者が最も多かったのはソ連で、2660万人に達したようです。
ドイツ人に対する敵意は凄まじく、敗走するドイツ軍をトコトン追い詰めたのも少しだけわかる気がします。

でも、日本がポツダム宣言を受諾して全面降伏した後で一方的に戦争を起こし、しかも捕虜をシベリアに抑留したのは、許すことのできない蛮行です。
ちなみに、私の父も満州からソ連に連れて行かれました。

ロシアのウクライナ侵攻

2022年3月にロシアが突如ウクライナに侵攻してもうすぐ1年になります。

当初、すぐに終わると思われた戦争は今や膠着状態からウクライナが反撃に出るようにまでなって、完全に長期化・泥沼化しており、いつ終わるのか全く予想もできません。

ロシアのウクライナ侵攻は、普通に見ればどう考えてもロシアが非難されるべきと思いますが、でもロシア側の肩を持つ人もある一定数はいるようで、世の中よくわかりません。

まさかロシアが核兵器を使うことはないと思いますが、プーチンは本当に追い詰められたら何をするかわからず、「渚にて」のような世界の終わりが訪れないことを祈りたいと思います。