黒牢城 : 米澤穂信

およそ 1 年半ぶりに本を読みました。

読書というのはとてもいい趣味だと思います。
おそらく脳トレにもなると思います。

以前の自分のホームページには書評という項目があって、実のところその目的は偉そうなコメントを書くことではなくて、同じ本を買わないようにするためでした。

その記録によると、米澤穂信の「満願」を2015年に読んで書評を書き、読んだと気づかず2021年にも再び読んで書評を書いていました。途中まで読んでやっと気づくという感じでした。

なんだか危ないですね。

黒牢城は第166回の直木賞受賞作です。

難解な文章

この本には私の不勉強で慣れない言葉がよく出てきます。
例えば、


烏滸の沙汰にござる

これは何を言っているのかわかりません。
おそらく初めて聞く言葉です。

難解な部分もありますが、とても面白くて引き込まれていきます。

有岡城と荒木村重

現在のJR伊丹駅のすぐ西側にあった有岡城は別名伊丹城とも呼ばれ、総構えの本格的な城で織田信長の攻撃に1年以上耐えたとされています。

荒木村重は織田信長に摂津国を支配することを許されるなどして信頼されていましたが、1578年に突如として信長に対して謀反を起こしました。

その理由はいくつかの説があるようですが、約1年3ヶ月の籠城の後、荒木村重自身が有岡城を出て戦いは終わりました。荒木村重は戦いに敗れたわけですが、しかし天寿を全うしたようです。

戦国時代は殺戮の連続

今更何をと言われるかもしれませんが、戦国時代は殺戮の連続でした。

家族を人質として渡した場合に、もし謀反すれば人質をすぐに殺すというのが常識だったようです。
しかし、荒木村重は人質を簡単には殺しませんでした。
信長とは違うということを証明したいために。

信長が有岡城の戦いの後で処刑を命じた人数は 670 名とも言われています。
その中には妊娠している若い女性もいたようです。

やはり信長は「殺してしまえ」でしょうか。