肝硬変における腹水の治療

肝硬変の原因

このサイトによると肝硬変の原因は以前とはかなり様変わりしているようです。

HBV:B型肝炎ウイルス,HCV:C型肝炎ウイルス,ALD:アルコール性肝疾患,NASH:非アルコール性脂肪肝炎,AIH:自己免疫性肝炎,Cholestasis:胆汁うっ滞,Cryptogenic LC:特発性肝硬変

腹水治療のフローチャート

この図も上記参考サイトから頂きました。

フロセミドとアルブミン

ループ系利尿薬のフロセミドはアルブミンと結合することで、ヘンレのループまで運ばれて作用を示しますが、血清アルブミン値が低い状態では運搬役がいないので利尿効果が十分に発揮されません。

なので、血清アルブミンが低下している患者に対して、フロセミドを使用して腹水を減量する場合にはアルブミンの投与が必要ですが、長期間に渡って投与する場合にはカットされる場合もありえます。

トルバプタン(サムスカ)

フロセミドを長期にわたって投与すると、腎機能障害・肝性脳症・低ナトリウム血症などの有害事象が出現しやすいので、肝硬変の腹水に対する利尿剤は、抗アルドステロン薬が第一選択で、ループ系利尿薬は大量に使用しないようにとされています。

そして、比較的早い段階でトルバプタン(サムスカ)を使用することが勧められています。

用法・用量

肝硬変に対しては 7.5mg/day が標準で、これ以上に増量することはできません。

状態の良くない人には、その半分の 3.75mg/day から始めて様子をみて増量します。

副作用

重篤な副作用は、高Na血症と肝障害です。

高Na血症は投与直後は頻回のモニタリングが必要で、10mEq/day を超えるようなペースで上昇すれば中止します。