CAP 療法

潰瘍性大腸炎に対する治療法の一つして CAP 療法があります。

GCAP と LCAP

CAP とは cytapheresis = 血球成分除去療法の略で、主に顆粒球や単球を吸着する顆粒球単球吸着療法(Granulocyte-monocyte apheresis:GCAPまたはGMA)と白血球全体を吸着する白血球除去療法(Leukocyte apheresis:LCAP)の2つがあります。

適応

  • 5 – ASA 製剤単独では効果がない
  • 内視鏡的に深ぼれ潰瘍がない
  • 罹病期間の短い症例が効果的
  • ステロイド使用期間が短い症例が効果的
  • 副作用に神経質な症例

有効率

単独療法での有効率(症状が改善した例)は約 80 %、寛解率は 40 % 程度です。

副作用

重篤な副作用はほとんどありませんが、頭痛・吐気・悪寒など。

他の治療法との相乗効果

CAP 療法は単独でも効果がありますが、ステロイド製剤・チオプリン製剤・生物学的製剤などとの相乗効果があると言われており、それらの治療中に効果が十分ではないと感じたら CAP 療法を併用すると有効な場合があります。

intensive CAP

週2回 × 5 週 = 合計 10 回の CAP を施行することができます。

施設によっては最初の3週間を 2 回/週で、その後 1 回/週で施行しているところもあるようです。
ある程度の効果は最初の数回で出現するのでそれを長く維持するためにこのようにしているようです。

GCAP か LCAP どちらを選択するか?

有効率に大差はないようですが、有効な場合には 5 回までに効果が出ることが多く、5回施行して効果がない場合にはもう一方の CAP に変更する方法もあるかもしれません。

具体的には、まず LCAP を5回施行して効果があれば10回まで施行し、効果がなければ GCAP に変更するという方法はあると思われます。

セルソーバは販売中止、代わりにイムノピュア

セルソーバは販売中止となったため LCAP はできなくなったようです。

その代わりに「イムノピュア」という新しいカラムが承認されました。

LCAPとGCAPのちょうど中間のようなスペックで、顆粒球と単球に加え血小板も吸着することができるようです。