青空文庫のコンテンツを縦書きにして閲覧できるようにしてサーバー上に上げてあり、いつでもどこでも iPad で読めるようにしてありますが、 実は読書があまり得意ではなくて今のところあまり読んではいません。
また最近は、英語のボキャブラリーが全然増えないので、ボキャブラリーを増やすためにグーテンベルグプロジェクトの英単語と例文のデータベースを作ろうと思ってネット検索していたところ、 Open Library という巨大な電子書籍図書館があることを知りました。
グーテンベルグプロジェクトと Open Library を比較すると、
| サイト名 | Project Gutenberg | Open Library |
|---|---|---|
| 会員登録 | 不要 | 必須 |
| 利用料 | 無料 | 無料 |
| ダウンロード | 可 | 不可 |
| 最近出版された本 | なし | あり |
| 貯蔵数 | 6万冊 | 2000万冊 |
グーテンベルグも青空文庫も著者が亡くなってから 50 年経過すると著作権が消失するため、誰でもいつでもダウンロードして閲覧することができます。
しかし、Open Library は最近出版された本も電子化されており閲覧することができます。しかも 2000 万冊もあり、最近の人気小説家の作品も閲覧することができます。
著作権に引っかからないんでしょうか?
Open Library はアメリカ・サンフランシスコにある Internet Archive(インターネットアーカイブ)という非営利団体が運営しています。
2006年に設立され、図書館的なデジタル保存事業やウェブアーカイブ事業を行っています。
非営利法人(501(c)(3))として登録されており、営利目的ではありません。
しかし、サーバー・クラウドコスト、デジタル化・スキャン費用、運営スタッフ・管理費などの経費は必ずかかるはずで、かなりの費用になると思いますが、 寄付や助成金で運営しているようです。
Open Library の基本的な考え方としては図書館と同じです。
Open Library ではコンテンツのダウンロードはできません。そして、同じコンテンツを同時に閲覧できる人間には上限が設けられているようです。
つまり、図書館に収蔵されている本は貸し出されていれば他の人は借りることはできないのと同じように、提供されているコンテンツの上限を設けて、 もしそれを超えた場合には閲覧することができないシステムになっているようです。
ある本が 10 冊しかないとすると、世界中で同時期にその本を見られる人は 10 人しかいないということです。
図書館であれば、それらの本を出版社から購入して収蔵するわけですが、Open Library に関して言うと彼らは書籍を購入することなく電子化しているようです。
これは少しマズいと思います。著作権に引っかかるはずです。
著者がまだ生存している比較的新しい作品を電子化して公開するのは、普通に考えれば著作権に引っかかります。
Open Library は提訴されてアメリカで裁判がおこなわれました。
chatGPT によると、Open Libraryの「Controlled Digital Lending(CDL)」プログラムに関する裁判は、2024年12月に最終的に結審しました。
地裁判決(2023年3月)では、Open Libraryが所有する物理的な本をスキャンしてデジタル貸出を行う行為が、著作権侵害に当たるとされました。
控訴審判決(2024年9月)でも、Open Libraryのデジタル貸出が出版社の市場に対する影響を与える可能性があると指摘しました。
Internet Archive は最高裁への上告期限である2024年12月3日までに上告を行わないことを決定し、裁判所の命令を遵守することを表明しました 。
判決により、Open Libraryは出版社が電子書籍版を販売している本の完全なデジタル貸出を行うことが禁止されました。これにより、500,000冊以上の本がデジタル貸出の対象から外れました。
Internet Archiveは、Association of American Publishers(AAP)との合意に基づき、出版社の要求に応じて特定の本を貸出対象から除外しています。
角田光代で検索してみました。
「Borrow」と表示されていれば閲覧できます。
「八日目の蝉」を選択しました。
ツールバーなどがうざいと思います。画面を拡大してさらに F11 キーを押すと全画面になります。
内容を見てみると、
これ、文庫本をスキャンしたものですね。
なので、たまに斜めになっているものがあります。
これはご愛嬌ということで。
それにしてもすごいコンテンツができたものです。