オリジナルの論文は以下。
Gel immersion 法を応用した様々な内視鏡手技ゲルイマージョン法(Gel immersion endoscopy;GIE)は 2016 年に発表された新たな視野確保方法である。
消化管出血に対する緊急内視鏡や,不充分な腸管前処置での大腸内視鏡では,血液や残渣・便塊で視野確保が困難になる。送気で視野確保が困難な場合には, 水を注入する浸水法が試みられてきたが,水は血液や残渣・便塊と急速に混ざり,濁った視野になりやすい。水の代わりに透明な gel を注入すれば, その粘性によって血液や残渣・便塊を押しのけて透明な空間を作りだし,視野確保が可能になる。
浸水法では送気よりも内圧が低く保たれるが,GIE では水よりも少ない量の gel で視野確保できるため,さらに低い内圧に保たれる。
この低圧内視鏡は,腸閉塞や軸捻転,穿通 を伴う例や,外科手術直後など,内圧を上げることが好ましくない状況で有用である。 また,被検者の苦痛軽減により鎮痛・鎮静剤の使用量低減につながる他腹腔内圧低下,呼吸循環動態への影響低減や,嘔吐・誤嚥リスクの低減も期待できる。
スコープの鉗子孔径は 3.2mm 以上が望ましく,処置具挿入後にも追加注入できるように,洗浄機能付き鉗子栓を使用する。 スコープの対物レンズの前に gel を溜めやすくするため, 4 mm 長の円筒形フードを装着しておく。
壁面に円筒形フードを当てた状態で gel を注入し,まずは円筒形フード内を gel で満たす。 その後,gel を注入して透明な作業空間を押し広げながら,作業空間から逸脱しないようにスコープを少しずつ動かしていく。
水と違って gel 中にできた泡は抜けていかないため,泡を作らないように注意し,送気は絶対にしない。 吸引すると作業空間が縮まり,押しのけた血液や残渣が戻ってくるので,目的とする処置が終わるまで吸引もしない。
処置具を鉗子孔に挿入した状態で視野が悪化した場合には,BioShield irrigator(STERIS)のような洗浄機能付き鉗子栓もしくは副送水路から gelを追加注入する。
大腸憩室出血では血性腸液と凝血塊で管腔内が満たされて視野確保に難渋することが多い。 GIEを用いることで,出血源となっている憩室を同定してクリップでマーキングでき,バンド結紮で止血した報告がある。
急性出血性直腸潰瘍では,寝たきりで体位変換困難で出血点が血液や腸液に埋まって見えないことがある。 GIE を用いれば直腸でも視野確保して出血点を同定できる。直腸では歯状線近くで gelを注入すると gel が肛門で堰き止められ,血性腸液や便塊を口側に押しやれるため, 前処置なしでも gel で占められた透明な作業空間を作って止血術が可能となる。
製品名はビスコクリア。
イメージはできたが、本当にうまく使えるかどうか。