自己免疫性胃炎に合併した胃がんの臨床病理学的特徴

(2024-05-31)

インターネット上にある以下の論文を中心にまとめます。

自己免疫性胃炎に合併した胃がんの臨床病理学的特徴

はじめに

本邦においては、HP感染による著明な胃粘膜萎縮によりこれまでは目立たなかった自己免疫性胃炎が、最近ではHP陰性率の増加に伴って以前よりは発生数が増えているように思われる。

自己免疫性胃炎に生じる胃がんの疫学

自己免疫性胃炎に胃がんが合併する確率は、海外では 0.7 - 2.8 % だが、日本の研究では 9.8 - 23.6 % とかなりの違いが見られた。 この違いは、自己免疫性胃炎の診断方法が異なることに起因していると思われる。

海外の報告では,自己抗体(抗胃壁細胞抗体:PCA,抗内因子抗体:IFA)の血清検査,または病理学的検査により自己免疫性胃炎と診断された症例を解析対象としている.

一方,Terao ら日本の検討では内視鏡所見(胃体部優位な粘膜萎縮)と血清検査(PCA または IFA 陽性)または悪性貧血の罹患,そしてガストリン高値(350pg/mL)を満たす症例を解析対象としている.

自己免疫性胃炎に生じる胃がんの臨床病理学的特徴

自己免疫性胃炎に生じる胃がんの発がん機序は,まだ明らかとなっていないが、悪性貧血に胃がんが多く生じる原因として, ニトロソアミンなどの発がん窒素化合物の産生や高ガストリン血症による胃底腺への trophic action と考えられている。

自己免疫性胃炎の発がんにHPが関与しているのかどうかは現在のところ不明である。

自己免疫性胃炎に生じる胃がんの臨床学的特徴として,

  1. 女性に多い
  2. 悪性貧血の合併が多い
  3. 内視鏡検査で広範な粘膜萎縮を呈する
  4. ガストリンが高値である

一般的に、悪性貧血やガストリン高値は癌合併率が高い。

自己免疫性胃炎は胃がんのリスク要因であるため 3~5 年ごとのサーベイランスが推奨されている.

自己免疫性胃炎に生じる胃がんの内視鏡および病理学的特徴としては,

  1. 隆起型を呈する
  2. 好発部位は胃体部である
  3. 分化型腺癌が多い
  4. 胃型の粘液形質が多い

症例提示

省略。